バズ絵画 第7回 ムンク「叫び」解説

目次

はじめに

エドヴァルド・ムンク「叫び」

エドヴァルド・ムンク – WebMuseum at ibiblioPage: http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/munch/Image URL: http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/munch/munch.scream.jpg, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=37610298による

STEP1 明日使えるバズ知識

STEP2 基本情報 ちょっと詳しく

  • 作者:エドヴァルド・ムンク(1863−1944年、ノルウェー)
  • 製作年:1893年(ムンクが30歳の頃)
  • 画法:油彩
  • 大きさ:91cm×73.5cm
  • 所在:オスロ国立美術館
  • ジャンル:象徴主義
  • 絵画の基本情報:ムンクの代名詞的作品である「叫び」。「フリーズ・オブ・ライフ」という作品群のうちの一作。この作品の人物は叫んでいるのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」を聞いて恐れおののき耳を塞いでいる様子が描かれている。

STEP3 深煎り知識 もっと詳しく

今回紹介するのは言わずと知れた有名絵画「叫び」です。なぜかこの作品を話すとき、「ムンクの」という修飾語をつけて「ムンクの叫び」と呼ぶことが多いですよね。筆者が子供の頃からそうでしたので、そもそも「ムンク」という名詞が作者を表している事自体を知らない人も多いかもしれません。
さて、ムンクといえば「叫び」というほどこの作品が突出して有名です。これ自体はこの絵がその当時から現在に至るまで誰にも真似できない一点ものであり、恐怖感や不安感がひしひしと伝わるにもかかわらずどこかキャッチーでアイコニックな雰囲気があるからこそ、今日これほど有名な作品になったのだと思います。そして、この作品が持つ雰囲気は筆者のキャラクターや考えを色濃く反映したものとなっています。
ムンクは幼い頃に母親を亡くし、その後に姉も亡くしており死が身近な存在としてすぐ側にあったといいます。そのためムンクは「死」という概念に強い恐怖心や不安を抱えながら生きていました。

私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聞いた。

Wikipedia「叫び(エドヴァルド・ムンク)」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AB%E3%81%B3_(%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%82%AF)

ムンクは日記に上述のように記しており、この絵が確かに叫んでいるのではなく、「叫び」を聞いていることがよくわかります。絵からも文章からも非常に色濃い不安感を感じることができます。
ムンクは象徴主義の先駆け的存在で、賛否両論あるものの年々評価を上げていっていましたが、50歳頃にはアルコール依存症にかかって精神病棟に入院していたりと精神的には不安定な状態が続いていました。更に晩年には視力低下がひどく絵を描くことができなくなり、最期は気管支炎を起こしてなくなりました。
こう聞くと、成功とは裏腹にけっこう辛い人生を送ったんだなと感じるかと思いますが、ここで注目したいのはムンクの没年です。ムンクは1944年に亡くなっており、そのとき80歳でした。つまり様々な困難に巻き込まれつつも80歳まで生き抜いたのです。
ムンクは「死」をずっと見つめ続け、「死の不安」と戦い続けました。これはネガティブに聞こえるかもしれませんが、逆に言えば「絶対に死にたくない」という強い生命力があるがゆえの「不安」であるとも取れるのではないでしょうか。
ムンクのすごいところは、どんな困難があってもそれから目を反らすことなく作品として表現し、そして自らの生命力としたことだったのだと思います。
筆者は次の日会社に行かないと行けないと考えただけで強い「不安」を抱くことが多いですが、ムンクに習えばこれも必死に生きたいという思いの裏返しなのかもしれません。
ムンクに励まされつつ、日々をなんとか生きる、今日この頃です。

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この記事を書いた人

ガジェットとアート好きな一般サラリーマン。生活を彩るおしゃれガジェットの情報、好きなアートについての雑記をメインにしています。

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