バズ絵画 第3回 レンブラント「夜警」解説

目次

はじめに

レンブラント・ファン・レイン「夜警」

レンブラント・ファン・レイン – http://hyper-resolution.org/view.html?i=Rijksmuseum/SK-C-5/SK-C-5_VIS_20-um_2019-12-21 downloaded with dezoomify-rs, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=90131410による

STEP1 明日使えるバズ知識

STEP2 基本情報 ちょっと詳しく

  • 作者:レンブラント・ファン・レイン(オランダ)
  • 製作年:1642年(レンブラントが36歳の頃)
  • 画法:油彩
  • 大きさ:363cm×437cm
  • 所在:アムステルダム国立美術館
  • ジャンル:バロック
  • 絵画の基本情報:レンブラントの代表作品。オランダで有名な絵画といえば、で必ず出てくる必須科目レベル。この絵はオランダの自警団から依頼されて描かれている。強い光と影の演出「キアロスクーロ(明暗法)」で描かれており、この手法の代表的な作品でもある。ただし、元々はもっと明るい絵で昼間を描かれていることがわかっており、ニスの劣化により今の姿となり、「夜警」の愛称がついた。

STEP3 深煎り知識 もっと詳しく

オランダの画家といえば、フィンセント・ファン・ゴッホ、ヨハネス・フェルメール、そして今回紹介するレンブラントが三大巨匠として親しまれています。ただ、実は筆者も元々絵画に興味を持つ前は、「夜警」をどこかで見たことありつつも、レンブラントについてはよく知りませんでした。逆にゴッホやフェルメールは興味がなくても知っているという日本人が多いのでは無いでしょうか。何故ならゴッホ、フェルメールはそれぞれ日本人が好きになる要素があるのです。ゴッホの絵画に光が宿った要因は、当時のパリで日本ブームが起こったことにより日本の絵画技法を取り入れたからでした。そして南フランスのアルルに移り住んだのも、日本と同じ環境に住みたくて、といった理由でした(誤解もあったようですが…)つまり日本が好きだったのです。不思議なもので、百数十年前のことでも日本の文化を好きでいてくれるということを聞くと親近感が湧きますよね。逆にフェルメールにはそういったことはありませんが、彼の絵はどこか日本人好みなんです。絵には独特の侘び寂びがあるような気がして、日本人が非常に受け入れやすい絵を描いています。
レンブラントはどうでしょうか。レンブラントはバロック絵画の全盛期で明暗が強い非常に西洋画的な雰囲気が強い絵を描いています。絵のモチーフも日本人にはなかなか馴染みにくいようなものになっています。つまり、本国では人気の高いレンブラントでも、日本人には少し響きにくい特性を持っているのかも知れません。
ただ、筆者はそんなレンブラントの「夜警」が結構好きです。この夜景には、面白い点があります。「夜警」はいわゆる愛称で、正式名は「De compagnie van kapitein Frans Banning Cocq en luitenant Willem van Ruytenburgh」邦題「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊」となっています。つまり二人の隊長格とその他大勢なのです。そして、明暗法を使って描かれた絵には、隊長であるフランス・バニングコック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長が強い光を浴びてその他大勢は暗がりに潜んでしまっています。中には見切れ気味の人(中央後ろの方注目!)もいるくらいで、いかに隊長格二人に忖度して描かれたかがよくわかります。おそらく隊長格二人に忖度しすぎて自警団員の方々にとっては不満も大きそうですが、明暗法と巧みな構成で非常に完成度が高い仕上がりとなっており、それが故に今日ではレンブラントの代表作として語り継がれてきたのです。
筆者はキアロスクーロという画法はこの絵画で初めて知りましたが、バロックにおいては重要な要素となっています。絵画を見るとき、どんな手法でいつ頃描かれたものなのか、その辺りを注目してみてみても面白いかも知れません。

ちなみにこのシリーズは専門的な知見というよりも、まずは初めて絵画に慣れ親しむくらいのつもりで見るくらいがちょうどいい仕上がりになっています。キアロスクーロなど、そんな手法もあるんだなーくらいに留めておいても全く問題ありません!まずは絵画を楽しみましょう!

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この記事を書いた人

ガジェットとアート好きな一般サラリーマン。生活を彩るおしゃれガジェットの情報、好きなアートについての雑記をメインにしています。

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