バズ絵画 第4回 エドアール・マネ「草上の昼食」解説

目次

はじめに

エドアール・マネ「草上の昼食」

エドゥアール・マネ – wartburg.edu, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45284による

STEP1 明日使えるバズ知識

STEP2 基本情報 ちょっと詳しく

  • 作者:エドアール・マネ(フランス)
  • 製作年:1863年(マネが31歳の頃)
  • 画法:油彩
  • 大きさ:208cm×265.5cm
  • 所在:オルセー美術館
  • ジャンル:印象派
  • 絵画の基本情報:マネの代表的作品の一つ。西洋美術史において、それまで女性の裸を描くことはタブーとされていた(それまでに描かれてきたのは全て神話や聖書に出てくる人物であることを免罪符としていた)。そんな中でサロン出展作品として現代の女性の裸を描き、猛批判を浴びた。しかしこの姿勢に感化された画家達が後に「印象派」として西洋美術に新たな風を巻き起こす。このためマネは印象派の父と呼ばれる。

STEP3 深煎り知識 もっと詳しく

今回紹介する「草上の昼食」は一般的には決して有名ではないと思いますが、西洋美術史上においては非常に意味の大きい作品です。筆者は別の記事でも書いていますが、美術史で一番好きな時期は19世紀後半から20世紀初頭くらいで、「印象派」といった古くからあるいわゆる「美術」といった世界観から、近代美術、現代アートへと繋がっていく中でのちょうど境目にあたります。そして、新しい美術の考え方が持ち込まれるようになる最初のきっかけを作ることになった人の一人が、エドアール・マネなのです。
ちなみに筆者が興味を持ち始めてすぐの頃、クロード・モネの「草上の昼食」とこの作品がごっちゃになっていた時期がありましたが、別物です。モネと言えば「睡蓮」で有名ですが、初期の頃にマネに影響を受けて、同じように「草上の昼食」を描いたのです。同時期にモネとマネがいて、マネの方が先輩でモネがマネの作品を真似た…といった感じなんですが…ややこしいですよね。ちなみにちなみにマネの「草上の昼食」はピカソも描いています。いかに後世の画家に影響を及ぼしたかが窺い知れますね。
ところでマネは西洋美術史で初めて現代の女性の裸を描いたとされていますが、決して下心あってのことではなく、当時の美術業界に対する批判的な意味合いの強いものでした。むしろ、マネ以前の画家達は神話の世界であることを免罪符に好き放題描いていたのですから、どちらがということもありません。
絵画を見ていて楽しいと思える瞬間は、その絵の歴史上の意味を理解できた時です。筆者はこの絵をはじめて見たとき、正直なところ特に「好き」も「嫌い」もありませんでした。それが筆者が好きな画家達の先輩として歴史に大きな分岐点を作ったのがこの作品であるということを知り、一気に愛着が湧いたのです。
絵画の楽しみ方は人それぞれですが、どんな背景で描かれたのか、歴史上どんな意味があるか理解できると絵画を見るのが楽しくなってくると思いますので、このブログもそのきっかけになればと思います。

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この記事を書いた人

ガジェットとアート好きな一般サラリーマン。生活を彩るおしゃれガジェットの情報、好きなアートについての雑記をメインにしています。

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